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まるで、別の生き物のように、傷口が蠢く。
ぐちゃぐちゃと、耳障りな音を立てながら、傷口が塞がっていく。
開いた肋骨も、破れた筋肉も、潰れた内臓も。
三十秒もしない内に傷口が消え、“ウズツキ”と呼ばれた不思議生命体は立ち上がった。
「ぎゃははっ! いつ見ても気持ち悪ぃなぁ! あんたの『罪』“灰と塵(ダストライズ)”はよぉ!」
「黙レ、“カミツキ”。オ前のよりハましダ。それより“ハリツキ”はどうしタ?」
「ぎゃははっ! ちげぇーねぇやな! あぁん? “ハリツキ”の旦那なら、もうじき来るんじゃねぇの?」
僕らの事が視界に入っていないらしく二人は、茫然と立ち尽くす五十嵐や小鹿さん達の存在を無視して話し出した。
「奴メ、こんなにも緩イ結界を張るとハ、腕が落ちたカ」
「あぁん? “ハリツキ”の旦那がしくじるとは考えらんねぇけど? こいつらが変なんじゃね?」
「そウか、では――コイツらは――」
「やっちゃって、良いんじゃね?」
両腕包帯ぐるぐる巻きの男がいやらしく笑い、不思議生命体は無表情のままに。
紅い炎が立ち上る。殺気と殺意の紅い炎。
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