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大きく溜息を吐いて、五十嵐は―― 「もう一度、はっきり言っておく。ゆとり、俺は満月と一緒に、宵闇も奴らに引き渡すつもりだ」 「沙夜も、一緒にだって? そんな事は五十嵐でも許さない」 つい、かっとなって五十嵐の胸倉を掴む。 それでも、五十嵐は真っ直ぐに僕を見詰めて、不意に哀しそうな、今にも泣き出しそうな顔で。 「だったら、邪魔すればいい。俺は譲らない」と、そう言った。
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