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五十嵐に訊きたい事が山積している僕は、とりあえず追い付き様に質問する。 「仕事って、『代行サービス』でしょ? 誰の依頼?」 「『最上真理(もがみ しんり)』さんだ。俺はあの人に代わってお前をある程度までサポートする」 あの人か。 手回し良すぎるんじゃないの? ある程度まで、と言う文言が気になったけれど、どうやら真理伯母さんは『五十嵐代行サービス』に依頼していたらしい。 と言うか、それなら本人でも良かったんじゃないかと思ってしまうけれど、あの人はあの人で色々忙しい人なのかも知れない。あの人に関する情報を殆ど持っていない僕には判断は出来ないけれど。 道中の僕の質問に対する五十嵐の態度は素っ気ないもので。 「会えば分かる」とか「駄目だ」とか「すぐ着く」とか、全く情報をくれなかった。 すぐ着くと言っていた割に、僕の足首が悲鳴を上げだした頃に漸く目的地に着いたようで、五十嵐がとある建物に入って行った。
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