41人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
「“らしく”ねーな」
僕の心境を見透かしたように、竹田先輩は言う。
「いや、らしいと言えばらしいのか? リーダーらしいセリフだ、“煉獄の劫火”らしいセリフだぜ。俺の行動を不審に思ってカマをかけてみたって感じか? 不安なんだろ? 会長が自分を呼び出す理由に心当たりがねーから。嫌なんだろ? 自分の知らない処で物語が展開していくのが」
「そういう訳じゃないです」
図星、なのだろうか。不安だったのだろうか、僕は。
もしかしたら、そうなのかも知れないけれど、何だか負けた気分になるので否定しておく。
「ふふん、違ったか? ま、当たらずとも遠からずってとこだろーけどな。だけどよ、前にも言ったと思うけどよ。俺の能力“運命探知(リーディングシュタイナー)”は、文字通り“運命を見知る力”じゃねーんだぜ? あくまで、“これから起こる可能性の高い事象を予測する力”なんだ」
“確定された未来”や“既に決まっている運命”を見るわけじゃない。確かそう言っていたっけ。
最初のコメントを投稿しよう!