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「良いのか? それで良いのか? “俺の敵”?」 「良い訳無いだろ」 そんな当たり前の事をわざわざ訊くな。 「そうだろうそうだろう、“俺の敵”。それでこそ、俺の敵だ。成程ね、それで“俺の敵”がここに来たって訳だ。いいぜ、“俺の敵”。連中の情報をくれてやるから、連中を殺して来い」 物騒な事言うな。  ……それもありか? 「良いのか? 満月」 五十嵐が問うと―― 「姫は俺が! 俺だけが! “俺の敵”から奪うんだ! 他の奴にはやらん!」 叫んだ。うるせぇ。 と言うか、お前にも奪わせないけど。 沙夜は僕の……。 僕だけのものだ。
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