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くくく、と喉の奥で笑いを堪えている、竹田先輩。
何がそんなに嬉しいのだろうか。相変わらず、不愉快な奴だ。
「何が可笑しいんですか?」
「あ、いや……すまん。気を悪くしねーでくれよ、リーダー。俺はあんたがまだ“あの頃のまま”なのが嬉しいんだ」
流石は俺らのリーダーだ。と、嬉しそうに言う。
「どう言う意味です?」と、つい訊いてしまった。
竹田先輩は頭を掻きながら、窓の外に視線をやり答える。
「俺は、今日リーダーは来ないと予測していた。だから、さっきまで会長に、待ってても来ないからさっさと帰ろうぜって言ってたんだ。だけど、あんたは来た。俺の能力でもあんたの行動は予測出来ねーって事だ」
“あの頃のまま”、な。と、僕に視線を戻して笑う。この笑顔は僕は別に嫌いじゃない、わざとらしくない竹田志土知の素の笑顔。
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