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真理伯母さんは、“解決”と言った。 つまり、沙夜がこの町に居て良い、僕の傍に居て良いと言う状況にするべきだ。 “闇憑き”の介入が金輪際無いように。 その為に、僕がしなければならない事がある筈だ。 僕にしか出来ない事が。 でも、僕の知らない事、知っておかなければならない事がある。 僕は満月に向き直り、視線を合わせる。 「満月、お前は沙夜がここに居る、この町に来た理由を知っているか?」 「あん? どういう意味だ?」 「……どうして、“家族”から離れて、独りでこの町に来たか」 僕は知らない。沙夜から訊いた事も無い事だ。 彼女の言葉から、ある程度想像は出来るけれど、憶測でしかない。 もし――こいつが知っているなら――
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