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「知るか、そんな事」
「知らないのかよ!」
答えは予想通りだったけど。
「家出、で合っているか分からないけど、その理由も知らないのに連れ戻しに来た訳?」
「ふん、そんな事関係無いだろ。第一俺は“姫”と言葉を交わした事は無い」
は? 何を言い出すんだこいつ。
「それに、“俺の敵”。お前は“家”と言ったが、別に俺達は同じ家に住んでいる訳じゃない。俺達“闇憑き”は基本根無し草だし、“姫”だってお前達のように家族で暮らしていた訳じゃない」
え? 家族と暮らしていた訳じゃない?
てっきり僕は、最低の父親から逃げたものと思っていたけれど。
満月は続ける。
「――とは言え、管理下にはあった。住む場所を与えられていた。しかし、そこから“姫”は失踪した」
だから、探した。と言う。
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