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似たようなものだ、と思う。 全然違った、とも思う。 沙夜の境遇を思うと、胸が痛くなる。 他人からこれ以上訊くべきでは無いと思うけれど、今僕は沙夜に会う事が出来ない。 これ以上は沙夜本人から訊くべきだし、沙夜が言わなかったと言う事を僕は理解するべきだ。 訊いたら、教えてくれただろうか。 いや、教えてくれなかったとしても、僕は訊いておくべきだった。 沙夜の事を僕はまるで知らなかった。なのに、僕は何もかも分かった気になっていた……。 そんな僕の甘えが今の状況を作り出してしまった。 訊きたい、知りたいと思う。 会いたい、会って話をしたい。 その為に、僕がしなければならない事がある。
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