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「五十嵐、何であそこなの?」 僕の疑問に対して、五十嵐は何故僕がそんな事を訊くのか分からない様な困った顔を浮かべる。 「いや、他にも人気のない場所と言うか、適した場所あるんじゃない? 例えば“ここ”とか――」 「お前……ここで悶着を起こす気か? 地の利的にもお前にとって有利な方が良いと思ったんだが」 地の利? あぁ、なるほど。 何だかんだ言って、五十嵐は僕の味方だった。 凄く嬉しい。 さっき、五十嵐が言っていた。僕の邪魔をすると言うのは、いわゆる“つんでれ”だったのだろうか。 「じゃあ、そう言う事で。明日の準備があるでしょう? 今日はもう帰りなさい」 安岐さんに言われ、僕と五十嵐はホテルを後にした。
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