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翌日、夏休み初日。
僕はいつものように妹に起こされたので、午前中の早いうちから起きていた。
支度を整えて家を出る。時刻は十時半。
昨晩、連絡があり、待ち合わせの時間に指定された時間だった。
僕は自宅マンションのエントランスで、待ち人の到着を待っていた。
と、そこへ、車椅子に乗った人物が、うさん臭い作り物みたいな笑顔を顔面に貼り付けてやって来た。
もう夏休みだと言うのに、制服を着ている。全く不思議な人だ。
「やぁ、お待たせしちゃったかな? ぼくはそんなに朝強い方じゃなくて、夏休みなんかの長期連休には昼過ぎまで寝ているなんて事がざらにあるんだけれどね。今日はなんと、ぼくに依頼と言う事で、張り切らせてもらうよ」
朝に弱いなんて言っていたけれど、そんな事は微塵も感じさせないほどに、よく喋る人だった。
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