012

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僕がかつて『特異点(シンギュラーポイント)』と呼んだ廃ビルが、“闇憑き”と呼ばれる殺人鬼達との待ち合わせ場所だった。 僕と城島先輩の二人がそこに辿り着いた時、僕らを待っていたのは―― 別人の様になった“枝郷神楽”だった。 *** 「ゆとりくんが来てくれた! ゆとりくんが来てくれた!」 と、るんるんと言うか、きゃぴきゃぴとはしゃぐ神楽。 神楽の私服姿を見るのは一年以上ぶりだったけれど、夏らしい恰好に首輪と言うスタイルが前衛的すぎる。 と言うか、“また”キャラが変わっている。 無口だったり、中二病だったり、饒舌だったりと忙しい奴だ。 今回は随分明るい感じになっているけれど、僕の知り合いにそんな人はいない。 誰か僕の知らない人に能力を使ったのだろうか。 なんだか、もやもやする。
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