012

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いや、僕が思考するべきは“そこ”じゃない。 もっと、もっと思考を割くべき所がある。 彼女が何故ここに居るのか、だ。 そして―― 彼女の足下で、ボロ雑巾のようになって倒れている漫画でしか見た事の無いような執事服の男性。 壁に上半身が埋まってしまっているが、下半身だけでも判断出来るほどに分かりやすい“不思議生命体”。 さらに、天井に突き刺さって、宙吊りになっている両腕に包帯をぐるぐる巻きにした男。 「宵闇……針月……疼月……それに咬月……」 僕が“話し合い”をするはずだった三人組。 状況から考えて、神楽が一人で三人をぶちのめしたらしい。どうやったかは、全く分からないけれど。 色々、混乱させられる状況ではあるけれど、兎も角僕が今するべき事ははっきりしている。
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