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「え、っと、ごめん……え? 一人?」 五十嵐の剣幕に思わず謝ってしまったけれど、僕は一人で来た訳では無い。 『もしかしてもう着いたのか!? 今とりあえず津久見先輩と姫島先輩がそっちへ向かってる! 無理はすんなよ……』 「待って、五十嵐。津久見先輩と姫島先輩?」 なんで、あの人たちの名前がここで出てくるのだろう。   『あ? あぁ、昨日言っていただろ? 何人か協力してくれそうな人に声かけるって。後、竹田先輩と宇佐先輩も向かってるはずだ。マンションにお前が居ないって連絡が――』 「え、協力してくれるの城島先輩じゃないの? 一緒に来たんだけど」 『…………』 僕の問い掛けに、五十嵐は黙ってしまう。おかしな事なんて言っていないと思うけど。 「い、五十嵐?」 『おい、ゆとり』 「何?」 五十嵐の次の言葉は―― 『……キジマ先輩? って、誰だ?』 僕の足りない頭では理解できなかった。
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