012

15/32
前へ
/300ページ
次へ
…………その上、沙夜本人から命を狙われ続けるのか。 別に、悪くない。と、思う。 沙夜が家事を出来なくたって、僕がすればいいし。親類が殺人鬼と言うのだって、僕の親類も変な人多いし、まあ問題無いだろう。 「別に、マイナスだとは思いませんね」 正直な気持ちだった。 嘘月が驚いたような顔をする。しかし、一瞬の事ですぐにいつもの作り物みたいな顔に戻る。 「頑なだね。全く、説得する気が無くなってしまいそうになるよ。確かに姫は魅力的な女の子だろうけど、君の周りにもたくさんの女の子が居るように思えたけどね、ぼくは。例えば、生徒会長だったり、枝郷ちゃんだったり、ね」 彼女達じゃ駄目なのかい? 暗にそう言っているのだろう。でも、沙夜が駄目だからって、そういうのはあまりに不誠実だ。 「あたしは良いよ?」 神楽がそんな事を言う。ちょっと黙ってて下さい。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加