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全く持って、話し合いになんてならなかった。 当然だ。 僕はNOしか言わない男だ。今回の件に関しては、特に。 「ふぅ、困ったねぇ。諦める気が全く無いみたいだねぇ。それじゃぁもう“戦争”しかないじゃないか。でも、それは嫌だなぁ」 と、わざとらしく肩を竦めてみせる。ふうやれやれ、じゃねぇよ。 だけど“ようやく”、“ようやく、こちらの思い通りになってきたか”。 「嫌だなぁ。あの“満月”を、“闇憑きの中で最も夜に近い男”を退けた君とやり合うなんて、狂気の沙汰だ。ぼくは別に“戦闘狂(バトルマニア)”と言う訳じゃない、負けると分かっている戦いに身を投じるほど愚かじゃないんだ」 ん、もう少しか。 しかし、この宵闇嘘月、自らを“宵闇の中で最も恐ろしい男”と嘯いた男。 本当にそうなのか? こいつが? 最も恐ろしい? こいつが、闇憑き最恐?
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