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『妄想を現実にする能力』だって? 「……差し詰め、“概念創造(オンリーマイジャスティス)”と言ったところか」 「マジレスすると、ぼくはこの能力を“誇大妄想狂(ギガロマニアックス)”と呼んでいる」 適当に言ったつもりだったのに、マジレスされた……orz それにしたって、こいつの能力はとんでもない。 妄想を現実にする? つまり、何でもありって事じゃないのか? そんなとんでもない能力を持っていながら、僕に勝てる筈が無い? 馬鹿にされているのだろう。へらへらした作り物みたいな笑顔のままだから、余計にそう感じる。 「しかしながら、この能力。とてもとても使い勝手が悪いんだよ、ゆとりくん」 「……使い勝手が悪い?」 そう言えば、さっきもそんな事を言っていたような気もする。 「そうさ。能力を使うほどに、“-1を+1”にすればするほど、“ぼくの存在は0に近付く”。例えば、物を動かす能力“木製の流星群(シューティングジュピター)”をぼくは創った。ぼくの“罪”、“誇大妄想狂(ギガロマニアックス)”でね。すると、ぼくの足は動かなくなってしまった。物を動かせるようになった代わりに、ぼくは“動けなくなった”と言う訳だ」
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