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へらへら笑いながら、ぺらぺらと自分の能力について説明してくれる嘘月。 闇憑きって人種は、満月もそうだったけれど自分の能力を隠したりしないのだろうか。 僕だったら、自分の能力は隠しておきたいものなんだけど。 とは言え、鵜呑みにする訳にはいかない。 何と言っても、相手は“嘘月”なのだから。 「君の能力については、ぼくなりに調べてみたんだけど、やっぱり分からなくてさ。教えてくれないかい?」 「教える訳無いでしょう」 「まあ、そう言わずにさ。学校側の調べでは、君の能力は『無干渉』みたいな扱いになっているけど、それは本当じゃないよね? だって――」 君の身体には無数の傷痕が今も残っているんだろう? 見透かすように嘘月は笑う。
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