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唖然とする僕に、この不思議空間の主は柔和に微笑んで―― 「思ったよりも、早かったのね? 急いでくれたのかしら?」 と、初めて会った時と同じセリフを言った。 思ったより早い、なんて彼女は言ったけれど、既に放課後と呼べる時間帯になってから一時間以上経過している。 けれど、彼女の口調は皮肉めいた気配は微塵も感じさせない。僕はほっと胸を撫で下ろした。 しかし、一体彼女は何時まで僕を待つつもりだったのだろうか? 僕の体感では随分と長く待たせていたように思う。具体的には一ヶ月くらい。 まず、遅れたことを詫びた僕だったけれど、水城先輩は全く気にしていないと言ってくれた。
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