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「お前の能力は知っている――あたし、一度はお前だったから――だから、知っている――お前の物を動かす能力は――“一度に二つまでしか動かせない”!」 「それがどうしたと言うんです? そんなものは一対一のこの状況で何のデメリットでも無いでしょう」 「一対一なら――ねっ!」 走っている神楽の身体が、“ブレる”。 そのブレはどんどん大きくなり、神楽がまるで“三人”居るように見える。残像が残ったまま、消えない。 「え? な――何ですか? それは――」 へらへらとした表情は崩さなかった嘘月だったけれど、口調は明らかに動揺していた。僕だってそうだ。 “神楽が三人になった”!? 「“三人になってしまう欠点(エラー)”! 『三ツ児の魂百まで(トリオザオール)』!」
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