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水城先輩に促されるままに、僕はソファーに腰掛けた。
柔らかく、どこまでも沈んでいくかと思いきや、適度に反発してくるソファーだった。
そして、沙夜は迷うことなく、僕の膝の上に座った。
「あの……沙夜さん?」
「何かしら? ゆとり」
文字通りきょとん、として僕に問い返してくる沙夜。うん、可愛い。
いや、違う。そういう場合じゃない。
僕らは大事な話を聞きに来ているんだということを、この娘は全く理解していないのだろうか? まあ、理解していないだろうけれど。
「あらあら、羨ましいわね。ふふ、じゃあ早速だけれど本題に入らせてもらうわね」
明らかに失礼を通り越えて無礼な態度の僕らだったけれど、会長は気にすることなく本題に入る。
それだけ、重要な案件なのだろう。僕はやや緊張して身構えた。
会長は一拍溜めて、僕らを見据えて言った。
「転校生が来るの」
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