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そんな風に、僕が思考していると―― がしゃーん。 視界が割れた。 知っているから良いものの、僕だってそんな異常な景色を見慣れている訳じゃない。 その証拠に初めて見るであろう、闇憑きの三人は大いに驚いていたし。 それに、少なくとも“一度”は経験している嘘月も“この事態”は想定していなかったのか――貼り付けたような笑顔に余裕が無くなっていた。いい気味だ。 宇佐先輩の“範囲収束(アトラクタフィールド)”、僕らは近似値の世界に招待された。 そして、見慣れた面々がこの場所に――特異点と僕が名付けた場所に――ようやく集う。 津久見鬼丸先輩、姫島伊奈澄先輩、宇佐篠実先輩、竹田志土知先輩。 かつて、僕が“混沌の軍勢(カオスレギオン)”と呼んだ集団のメンバー達。 それに、五十嵐風雨と虎河火魅子。 余計な一人……満月もやって来た。
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