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「かははっ、どうする? 嘘月ぃ。九対四だけどよぉ? 続けるかあ?」
満月の奴が調子に乗ってそんな事を言う。
と言うか、お前は向こう側だろ。ちゃっかりこっち側に自分をカウントしてんじゃねぇよ。
「満月……くん。君はどういうつもりで――」
「お前ら如きに助けてもらう必要はねーし、姫を俺の敵から取り戻すのも俺がやる」
だから、お前ら邪魔。と、そう言って、すれ違うだけで人を殺す殺人鬼、『宵闇満月』が“闇憑き衆”四人に向かっていく。
疼月が満月に向かって、斧の様な、鉈の様な、鎌の様な刃物を振り下ろそうとして――前のめりにぶっ倒れた。
僕が見えたのは払う様な満月の裏拳だけだったけれど、後で五十嵐に訊いたら下から掬い上げる様なアッパーも放っていたらしい。
「満月ぅぅううっ!!」
叫んだのは、咬月だった。
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