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ぱちんっ、と指を鳴らしてみせる満月。 「どうした? もしかして、吸い込んじゃいけないやばい気体でも吸い込んだか? “そんなにいっぱい口がある”と大変だなぁ! かはは」 当然、先輩方や五十嵐達にはその“やばい気体”の影響を受ける責任は取らないでもらうけれど。 しかし、こいつ、こんな室内でそんなヤバいもの作ったりするなよ。周りの事なんか一切考えていない。まあ、当たり前なんだけれど。 こいつにそんな気遣いが出来るなんて思っていない。だからこその僕の対応だった。 「かははっ! 屑っ! ゴミっ! 劣等っ! この粗悪品どもが! お前らのどの辺が闇憑きだっ!? どこが宵闇だっ!? 恥を知れ!」 「恥を知るのは貴方でしょう? 全く」 満月に向かってそう言い放ったのは、針月だった。 呆れ顔で下がった銀縁眼鏡をくいと上げる。
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