013

7/20
前へ
/300ページ
次へ
「針月……かはは、あんたは“死賭人(トラップマスター)”だろ? そんな風に姿晒したら終わりだろうが」 「確かに、わたくしの“罪”はそのようなものですし、わたくし自身、自分の手で何かするというのはわたくしのスタイルに反します」 「かははっ! 不可視の罠があんたの真骨頂だろ!? それが使えない今! あんたはただの――」 「――ですが、礼儀知らずの若造に教育するのに、わたくしのスタイルは必要ありません」 針月の右回し蹴りが満月の胴を横薙ぎにする。いいぞもっとやれ。 だけど、満月は吹き飛んだり、まして真っ二つになったりしなかった。 逆だった。 満月に蹴りが当たった瞬間、具体的には当たる直前、針月の右足が爆発し吹き飛んでしまった。 そして、宙に舞っていた針月の右足が地面に落下したと同時に――再度、爆発。 針月の身体は煙を上げながら吹き飛び、壁にめり込んだ。 「ただの雑魚だぜ。かはは」 不愉快な男は闇憑きを圧倒して見せた。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加