013

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それが銃声だと気が付く前に、満月の拳が嘘月の顔面にめり込んでいた。 二発の銃弾は満月の胴体に着弾したらしく、先輩方や五十嵐達に怪我が無くて良かった。 満月はちゃっかり例の物質創造能力とやらで、ガードしていた。ちぇ、死んでも良かったのに。 顔面を殴り付けられた嘘月は、盛大に吹っ飛び壁に激突し、そのまま崩れ落ちて動かなくなってしまった。 おいおい、不意打ちした嘘月も嘘月だけど、誰がこの場を収拾つけるんだ。 まあ、どうでもいいけど。 何と言う茶番。結局のところ、“闇憑き”同士の喧嘩じゃないか。 「さて、待たせたな。“俺の敵”」 僕はまだ帰れそうになかった。
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