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生徒会室から僕と沙夜が出る頃には、窓の外が薄暗くなっていた。
どうやら、雨が降っているらしい。
会長の“わかりやすい”説明、主にこの僕らの通う高校。
『私立夢乃園高等学校(しりつゆめのそのこうとうがっこう)』の“裏事情”や制度の話は、僕にとってあまり意味のある話とは言えなかった。
だから、僕は会長からされた“これから起こるだろう事態”についての注意なんかも聞き流してしまった。
ほとんど上の空だった。
僕の頭の中を占める一人の少女。
『枝郷 神楽』
彼女のことばかり考えている。
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