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彼女との出会い。 それは、確か窓の外のようにパラパラと小雨が降っていたように思う。 いや、もっと降るというよりも落ちてくるような土砂降りだった……。 違う、雨なんて降っていなかった。突き抜けるような雲一つない晴天の日だった。 それとも、晴れでも雨でもなく沈むような曇天だったのかも知れない。 曖昧だ。彼女のことは鮮明に覚えている。 彼女は、僕にとって友達で、家族で、兄妹で、姉弟で、恋人で、他人。 誰でもあって、誰でもない空白。 思い出も、存在さえも、何もかもが空白。 それが“空白の虚実(くうはくのきょじつ)”『枝郷 神楽』だ。
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