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「ぷはぁ、ひどい事するわ。でも、私は“水”。私に誰も触れる事は出来ない。この私の運命のだーりん以外」 頭が復元した志高さんは僕の腕をとる。 「え?……あ、いや、だーりんって? え?」 「ふふふ、だーりん。私のEコードは“湖底に眠る白龍(スリーピングアクアマリン)”」 志高さんが僕を見つめたまま、沙夜の方に左手をかざす。 その手のひらから、突然に溢れ出す水。 水、水、水、水、水、水水水。 圧倒的な質量の水が廊下を埋め尽くし、止めどない波濤は沙夜を押し流す。 「我が身を水と成し、その水を操り武器とする能力っ! 口上はこれくらい大袈裟な方が良いって本で読んだことがあるわ」 「な!? 沙夜!」 「あはは、志高ちゃん。それはちょっとやりすぎやで」 天井に着地した小鹿さんは楽しそうに言う。 それどころじゃない! 廊下の窓ガラスが全部割れちゃってるよ!
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