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「重力操作、それがあなたのEですかっ?」
「ん? ちょっと違うかなぁ? ウチのEコード“天地無用(ビラブド)”の能力は、既存の重力法則の改変や」
ま、詳しいことはウチにもわからん。と、弾ける様な笑顔で言う。
僕とて自分のEについて完全に把握している訳ではないし、小鹿さんの無責任な発言にツッコむことは出来ない。
とは言え、視界が上下半転しているという今の状況は、初めての経験だったけれどこれはひどい。
なんというか、気持ち悪い。異常な景色だ。
「なんや? ゆとりくん、辛そうやね?」
「なんでそんなに嬉しそうなんですか。こっちは酔ってしまいそうなんですけど」
「酔う? はは、ゆとりくんの三半規管はオンボロやねぇ。このくらいの事で酔うなんて」
へらへらと、僕の軟弱な三半規管を馬鹿にする。
「ふぅん。でも、普通は“そう”なんかなぁ」
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