002

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「え? あれ?」 やっと、気が付いたみたい。 案外、鈍いのかな? 志高さんは。 「ん? どしたん? 志高ちゃん?」 「う、動けない……これが……金縛りと言うものかしら? 本で読んだのとは違うわ」 「なにゆうてんのん」 身動きが全く出来ない筈なのに、意外に冷静なのか。それとも混乱しているだけか。 志高さんは暢気そのもの。 それはそうだろう。今まで、一度だってその身の危険を感じた事が無いのだろうから。 どんなに危険な目に会おうと、その能力が、その過ちが、その身を守ってきたのだから。
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