002

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だから、気付かない。 だから、気付けない。 自分に何が起きているか。それが分らない。 長く伸びた、志高さんの“影”にそれは刺さっている。 真っ黒い短刀、沙夜がいつでもどこでも携帯している物騒な代物。 銘を妖刀“影縫”(ようとう かげぬい)と言う。 沙夜の能力、Eの核を成す呪具。 こんな使い方もあるんだ。以後、気を付けよう。 と言うか、“そのまま”過ぎる。ひねりなしだ。 呆れていると僕の影が、まるで水面のように波打ち、沙夜が出てきた。
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