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「魂とか心って何なんだろうな? そもそも、この二つは同じものなのか? それにいったい何処にあるんだろうな。心臓って言うか、胸の辺りなのか? それとも頭の中? 頭ん中って何処だよ、脳内って事になるのか? 妄想じゃないけど、想像って意味になる? それともそれとも大げさに言って、身体全体? 満遍なく? なぁ? 君は心は人と人の間にあるって話は訊いたことあるか?」 どうでもいい、取るに足らない質問の数々。 一つたりとも応えが返って来ることはなかったように思う。 「一億円あったら何に使う? 俺様ちゃんは多分宝籤を買う」 夢見がちな雑談。 そんな会話、と言うよりも、もはやでかい独り言。 何故なら、隣で僕の話を訊いている彼女からは相槌も何も無かったから。 そんな彼女だからこそ、僕はかつて彼女を“空白”と、“空白の虚実”と呼んでいた。
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