41人が本棚に入れています
本棚に追加
「――と言う訳で、おやすみ」
「何が『と言う訳』なのさ?」
布団代わりにしているタオルケットを剥ぎ取られた。
むぅ、融通の利かない弟だ。
「いつも思うんだけど、起こす時間が早いよ」
何の為に家から近い学校に進学したのか分からないじゃないか。
「そんな事は無いよ、兄さん。ほら、こう言うでしょう? 『早起きは三文の得』って」
「三文ぽっちじゃ得した気にならない」
「積み重ねが大事だよ? 兄さん」
ベッドの上でごろごろと駄々をこねてみる。
ふむ、不毛な会話だな。
でも、この弟との朝のやり取りって何だか落ち着くんだよね。
最初のコメントを投稿しよう!