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そんな彼からの質問だけど僕は――
「平凡ねぇ。まぁ、それなりに」
何をもって満喫なのか、平凡を謳歌するって難しくないですか?
そんな疑問を飲み込み、応えた。
「ふーん、満喫はしてるけど、“平凡”じゃない……か?」
僕の発言の中に、僕も意識していないようなニュアンスを拾い上げた五十嵐は、ニヤリと笑う。
うーん、そういう風にもとれるのか?
確かにそうかも知れないけど。
「“平凡”だよ、僕の人生なんて。面白くもないさ、凡庸で平凡で普通だ。僕の人生を小説化したとしても百頁にもならないよ」
「そんな事ないだろ? きっと二百二十五頁くらいだ」
五十嵐……それって対して変わらない気がするぞ。フォローになってないし。
それにいやに具体的な数字だな。
五十歩百歩ならぬ、二百二十五頁百頁。
語呂も悪いし。
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