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そんな他愛のない雑談を繰り広げていると、不意に五十嵐が僕から視線を外す。 つられて、後ろを振り向く。 沙夜が、無感情に無表情に窓の外を眺めている。 うん、さっきまで後頭部にかなり視線感じていたから、慌てて目をそらしたんだろうけど。 チリチリとね、もう頭に火が点くかと思ったよ? まぁ、気付かないふりをしようと思う。それが優しさと言うものだろう? 「ん、どうしたの? 五十嵐」 と、少し白々しくなってしまったかな? まぁいいか。 「いや、宵闇ってそんな顔もすんのな」 五十嵐は意外そうに言う。 一体、沙夜はどんな顔をしていたのやら。
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