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さて、かつて空白だった少女。
『枝郷 神楽』
(えだごう かぐら)
彼女について僕が知っている事は、思ったより少ない。
最後に彼女に会ったのは、もう一年以上前になってしまっている。
だから、教室に現れた転校生が神楽だと気付くのに、少し時間がかかった。
いや、嘘だ。
彼女の外見は一年前と殆ど変わっていなかった。元より、そんなに変わるはずがないのだ。
彼女の身体的特徴は何と言っても髪だろう。
色はなんとピンクである。
更に頭頂部から生えた?(ぴょんっとはねた)触覚のような髪が一房あり、これは彼女の意志を現すかの如く動き回る。
次に眼だろう。
前髪が恐ろしく長いので、常に右目が隠れてしまっている。因みに僕は彼女の右目を見た事がない。
見えている左目の話だけれど眼は赤い、灼眼というやつだ。
本当に人間なのだろうか。
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