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銀色に輝くそれは……ネックレス?
よくよく見ると、少し違う。
これは――
「鍵?」
小さな鍵だ。それも、銀色に輝く鍵。
鍵の持ち手側の輪っかに鎖が通されている。
「そう、“これ”の鍵だよ。“煉獄の劫火”」
神楽が指し示したのは、彼女の首輪、それに付いている錠前だった。
「今度こそ、俺様ちゃんを離さないでくれ。それで、俺様ちゃんを繋ぎ留めてくれ」
頭の触覚がハート型にくるんと丸まった。
……どうしろと!?
教室の中が静まり返ってしまった。
前の席の二人だけは例外で、時折こちらを振り向いてはニヤニヤと笑い、ひそひそと何やら情報交換していた。
……おい、五十嵐とヒミコ! 後で覚えていろ!
後頭部を貫く視線も半端じゃない。先程のおしおきが、いわれのない誤解によってパワーアップしたような気がする!
占いなんて信じない、僕はそう誓った。
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