米→←英

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最近イギリスが変だ。 俺が声を掛けるだけで逃げてしまう。 「何かしたのかなー俺。」 頭の中でいっぱいだった言葉を呟いた。 広くて誰も居ない部屋では独り言に答えてくれるひとは居なかった。 「…しょうがない、イギリスに直接聞いてこよう。」 飛行機で数時間。 イギリスの家に着いた。 ピンポーンとチャイムを鳴らす。 「はい、どちら様……あ!」 イギリスは驚いたあと扉を閉めようとした。 「待ってよ、イギリス!」 ドアが閉まる寸前で手を伸ばした。 「うわぁ!危ねーじゃんか!!怪我してないか?」 「HAHAHA!ヒーローは怪我なんてしないんだぞ!」 …久しぶりにイギリスが話しかけてくれた。 それが嬉しくて口元が緩んでしまう。 「……怪我してないなら帰れよ」 「俺は君と話したいんだ。」 「……」 イギリスはゆっくりとドアを開け俺を家の中へ入れた。 リビングに行くと大きめなソファーと机、それとイギリスと小さい頃の俺が写っている写真があった。 「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」 「コーヒー!」 「…わかった」 迷うことなくコーヒーを選んでしまったからだろうか、イギリスは先ほどより不機嫌になってしまった。 「……で、話ってなんだよ。」 マグカップを持ってきて向かい側のソファーへ座るイギリスは俯いていた。 また顔を向けない。 「こっちを向いてくれよ、イギリス!なんで俺を避けるんだい?」 俺は立ち上がってイギリスの顔を掴んだ。 イギリスの顔はみるみると真っ赤になっていった。 「触るな!!」 そっと手を話すとイギリスが口を開いた。 「……お前に名前を呼ばれるたびに胸が締め付けられる、お前に触られただけで鼓動が速くなる、お前の顔を見ただけで……!」 突然泣き出す君はなんだか可愛らしくて、いとおしくて…。 「イギリス…?それは恋なんだぞ!」 「こ…い?恋?!」 「そう!君は俺に恋をしているのさ!」 「ば、ばかぁ!何言って…!」 隙をついて白くて柔らかい頬にキスをした。 「俺は君の事が好きなんだぞ!君はどうなんだい?」 「~~っ!好きだ、ばかぁ//」 やっと顔を向けてくれた彼は皮肉という名の愛情表現も交えて『好き』と言ってくれた。 あーもう…可愛すぎるんだぞ// Fin
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