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店の裏口越しに
立ち竦む二人の前に
黒煙の中から一人
左腕から大量の血を流し
フラフラと歩く男性が
こっちへと向かってくる。
『か、噛まれた…助けてくれ!この傷、血が止まらないんだ!!』
二人は急いで、
その男を店へ入れ
手当てをした。
『この辺一帯で何が起こったんですか!!?』
新田がその男に
訪ねてみると…
男は、険しい顔で
冷静に口を開いた。
『俺にもよくわからんが、一昨日から昨日まで続いた濃い霧が晴れてからいきなりこの事態だ…一体、この町はどうなっちまったんだ…クソォ!!』
男も何が起きたのか
さっぱりの様子だった。
気がつけば、
辺りは暗くなりつつあり
より一層、炎の光が際立つ光景となっていた……。
そんな中で
さっき助けた男の容態が
急変しはじめ
「ゴホッ、ゴホッ!」
咳で口にあてた手に
紅い血液が付着していた。
男は何かを悟ったのか
急にこの場から離れようと
しはじめ、二人はそれを
止めようとするが……
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