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空港ロビーを抜けドアが開いた瞬間、快適な北海道に慣れた身体、思わず身構えてしまうほどの熱気に懐かしさより不愉快さを感じてしまう。
隣では大袈裟なほど暑がる悟さんが空を仰ぎ眩しそうに目を細めている。
「暑い」と言いたいところだが、ここで同じように暑がると悟さんが喜ぶので、あえて素知らぬ顔でやり過ごした。
茹だるような暑さの中、空港に降り立った俺達の前に現れた見知った人物。
そしてお決まりといったように隣で悟さんが「えっ!?」と困惑の声を上げ慌てふためく。
「お迎えが来ましたね」
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――――――――――
数時間前、搭乗手続きを済ませた俺の元に一通のメールが届いた。
メールの送り主は仕事で多少はあるものの普段プライベートの事ではあまり連絡を取ることのない戸田から。
仕事上なんらかの連絡手段は主に電話の戸田がメールを寄越すとなると、電話だと不都合な用件だろうと推測できる。しかもこのタイミングということは悟さん絡みなのは間違いないだろう。
搭乗口前だというのに幼い兄弟のようにジャレ合う二人はかなり目立っていて少し恥ずかしい。
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