第二章 裏の顔

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そんなことを思いながら私は、天野君の家の向かいにあった大きな木の裏に隠れた。 それから15分くらい過ぎた頃、天野君の家の前に1台のベンツらしき車が止まった。 運転席側ののドアが開くと出てきた男に私は驚いてしまった。 『…ぅ…嘘でしょ…なんでこんなところに暁斗様が……』 暁斗とは、最近デビューしたばかりの新人モデル。 デビューしてすぐに人気がでて、今では超人気モデルになっている。 急に人気がでたから各メディアからの出演依頼がすごいらしい。 モデルの仕事は副業で、本業はホストをやっているという噂もある。 暁斗様はなにくわぬ顔で家のなかに入っていってしまった。 そんな暁斗様をみて私はパニック寸前。 なんたって私は暁斗ファンクラブ会員No.001。 私がこんな間近で暁斗様を見たなんて、気絶しなかっただけでも褒めて欲しいくらい。 『あぁ…もう訳分かんない…1回家に帰って頭冷やそ……』 そう思い私は天野君の家をあとにした。
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