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「や、宮城くん待った?」
和斗が帰ってから約20分ほどで件の浜井スズが教室にやってきた。
「あぁ待ったよ」
「おやおや宮城くんそこは、今来たところ。って言うもんだよ…何か良いことあるの?」
「此処は俺の教室だ今来たところなんて物理的におかしいしお前に恋人にするような配慮は必要ない」
浜井は「ハハハッ」とひと笑いすると教卓の上にドカッと座った。
「で、今日は何するんだよ」
俺は浜井に単刀直入に尋ねた。
「えらく事を急ぐね宮城くん。まぁ呼んだからにはちゃんと用件があるわけだけど…そんじゃま本題といきますか。
宮城くん、五月川(さつきがわ)ゆかりって知ってる?」
「知ってるかと言われれば名前を聞けば顔が浮かぶくらいは知ってる。去年同じクラスだったしな…性格とかはあまり知らないな」
と言うか浜井に見せて貰った生徒録に顔写真が乗ってる…つまりここ2年間の間に海春高校に在学していた人間の顔は全て覚えてる。
「でその五月川がどうしたんだよ」
「ハハハッ知ってるなら結構。でその五月川ちゃんがね昼休みに僕のところに来たんだよ」
その時俺は少なからず驚いた。海春高校の生徒ほぼ全員の共通認識として…浜井スズ。つまりこの男には最低限以上の関わりを持たない方が良いと考えられているからだ。
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