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方舟内部の格納庫
ここには近日、特殊警察第1小隊に配備される新型ロボットが置かれていた。今は数人の整備班が集まりテストを行っていた。
「全機能正常、システムオールクリア。」
声を出したのは、ロボットのコックピットにいる女性だった。
同時に、彼女の頭に装着されていたヘットギアに通信がかかる。
「どうです、完璧に仕上がってるでしょ?」
その声は管制室にいる男からだった。
「今のところ問題は無いわね。」
「ヤだな~、問題なんて有るわけないじゃないですか!大体こっちに送られて来る前に何度もチェックしてるんですから、向こうに送られた機体も全然不都合無かったでしょ?お宅のシバさんでしたっけ?慎重なのはいいけど考え過ぎですよ。」
「次はバックアップから起動してみるわ。」
「あぁ、ちょっと。」
男が起動準備に入ろうとした女性を呼び止めた。
「第2小隊の方が2名、お迎えに参上だそうです。」
「第2小隊の・・・?」
女性はコックピットのモニターをカメラに切り替え、辺りを見回す。するとコンテナの奥から神崎アキラ、音無雪華が現れ、こちらを見つめる。女性は外の音が聞こえるようスイッチを入れた。
「どうだ雪華、わざわざ見に来た感想は?」
「うーん、何か私この子好きじゃない。」
「おい、お前がわざわざ見たいって言うから口実作って連れてきてやったのに何なんだその態度は?」
「ゴメンゴメン、って私そんなこと頼んでないんだけど!?」
「今日はここまでにしときましょ。」
「了解!」
女性は電源を切って作業を終了した。
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