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例えば茶色い巻き毛の犬がいた時、恐らくサッカー部のほとんどが『天馬』と名付けるように もし金色の目をもつ藍色の猫がいたとしたら、きっと『京介』と名付けるのだろう。 ふとそう思ったのは、今俺の目の前に睡眠中という最も無防備な状態の剣城がいるからだった。 誰もいないはずの、授業時間の屋上。 剣城に会える気がして来たら、本当にいた。 太陽の光と心地よい風。 すぅすぅと規則的な寝息をたてて眠る剣城が猫に見えた。 全然甘えてくれない『猫』を起こさないようにゆっくり近づく。 それに伴い上がっていく、俺の心拍数。 ドキドキしながら、剣城の唇に俺の唇をそっと重ねた。 こんなこと剣城が起きてたら出来ないだろ? 時間が止まったような気がした。 だからといってずっとこのままのわけにもいかず、名残惜しいが唇を離す。 すると、 剣城「…何するんですか、キャプテン」 目を閉じたまま剣城が言った。 神童「起きてたのか」 剣城「半分寝ててすぐに反応できなかっただけです」 体を起こして伸びをする剣城。 神童「ずっと寝てれば良かったのに」 剣城「豆腐の角に頭ぶつけて死ぬのと、今ここで俺に蹴り殺されるのと、どっちがいいですか。寝たままじゃ何されるかわかったもんじゃない」 神童「それでいいじゃないか」 剣城「…死んで下さい」 少し赤くなってうつむく剣城。 髪を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めた。 おわる
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