その1

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う~ん… 『あっ!』 寝てた… 隣りで寝ていた女はニヤニヤしながら俺を見た。 『おはよ、航大(こうた)くん。』 そう呼ばれて、なぜか恥ずかしくなった。 『あたしのこと、拾ってくれてありがとにゃん。』 ドキッとする。 『なんちゃって。 ゆうべは何もなかったから、安心してね。 あたし、お酒飲めないし。』 安堵する自分。 なんか、男って情けねー。 『俺さ、申し訳ないんだけどゆうべのこと何も覚えてなくて…。 きみは誰?』 『あたしはゆい。 井口ゆい。』 ゆいちゃんか。 で?昨日のいきさつは? 『航大くんに駅前で声かけられて…』 『ついてきたの?』 頷いた。 え。 俺がなんかしたらどうすんのよ?
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