その1

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『えっ、ちょ!待って! どこ行くの?』 ドアを開けて彼女を追う。 『帰るよ。 一晩だけでも泊まってけ!って、航大くん言ってたから。』 『いや、だって帰る場所ないんだろ?』 何故かそんな言葉が出た。 彼女は驚いて目を見開いた。 ゆうべの記憶は一切残ってないけれど…口をついた。 自分でもビックリしている。 そんな俺を見て 『ほんとに覚えてないんだね。 良かった…。』 悲しそうに笑った。 そんな気がした。
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