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「そういうキヨの方は明日、大丈夫なのか?」
言海が意地の悪そうな笑みを浮かべて訊ねて来る。
俺の苦手教科が数学であると知っているのだ。
ちなみに、キヨというのは俺のあだ名だ。
清景の清から来ているのは言うまでもない。
幼稚園の頃からこのあだ名である。
とはいえ、今は2人にしかあだ名では呼ばれないのだが。
「あー、……古典は6,7割ってとこだ」
「数学は?」
逃げようとしたが、そんな甘いヤツではなく、意地悪く笑いながらあっさりと核心を衝かれる。
「……4,5割」
実はそれすらも希望的観測で、実際は赤点の可能性も無くは無かったりする。
「はっはっは、もっと勉強しておかなくていいのか?」
「……いいんだよ別に、どうせ今日の日本史と昨日の政経は9割だ」
根が文系なのだ。
先ほど、平均よりやや上と言ったのはあくまで、総合点の話で、理解出来ない数学の点数を、得意な社会系科目で補う。
それで、平均やや上。
もっとも、目の前の彼女も文系な訳だが。
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