プロローグ

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カタカタカタカタカタカタカタカタカタ……… 暗い部屋にキーボードを叩く音が響く。 ただ不規則にそのカタカタという音がしているだけの部屋。 「よし………出来たぞ…!これで来週の入園式には間に合う………」 キーボードを叩く音が止み、部屋に電気が点った。 椅子から男が立ち上がる。 男は山田だった。 山田は部屋の端にある冷蔵庫に向かった。冷蔵庫の扉を開け、中から一本の小瓶を取り出す。 「もう入園式か………毎年毎年早いな………あっという間に入園式だ」 そういいながら山田は小瓶の蓋を開け、一気に飲み干す。山田はかなり汗をかいていた。 「…………それにしても暑いな。なんだこの暑さは……まだ春なんだがな……」山田はシャツのボタンを一つ外しながら、窓に近付いた。 パソコンの名簿作りに熱中しすぎていたようだな……汗をこんなにかいている。だが、まだ夜中。 風に当たれば結構涼めるだろう。 山田はそんな事を考えながら窓を開ける。 その瞬間山田の体は謎の影に吹き飛ばされた。
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