101人が本棚に入れています
本棚に追加
カタカタカタカタカタカタカタカタカタ………
暗い部屋にキーボードを叩く音が響く。
ただ不規則にそのカタカタという音がしているだけの部屋。
「よし………出来たぞ…!これで来週の入園式には間に合う………」
キーボードを叩く音が止み、部屋に電気が点った。
椅子から男が立ち上がる。
男は山田だった。
山田は部屋の端にある冷蔵庫に向かった。冷蔵庫の扉を開け、中から一本の小瓶を取り出す。
「もう入園式か………毎年毎年早いな………あっという間に入園式だ」
そういいながら山田は小瓶の蓋を開け、一気に飲み干す。山田はかなり汗をかいていた。
「…………それにしても暑いな。なんだこの暑さは……まだ春なんだがな……」山田はシャツのボタンを一つ外しながら、窓に近付いた。
パソコンの名簿作りに熱中しすぎていたようだな……汗をこんなにかいている。だが、まだ夜中。
風に当たれば結構涼めるだろう。
山田はそんな事を考えながら窓を開ける。
その瞬間山田の体は謎の影に吹き飛ばされた。
最初のコメントを投稿しよう!