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子供達は口々に起きた起きたとはしゃいだ。
「…お前ら、余所で遊べ。」
と言うや村雨はくぁ、と欠伸をして室内に戻ろうとする。
そうはいくか、と子供達は村雨のシャツの袖を掴み言った。
「だって最近危ないから、大人の側じゃないと遊んじゃダメって言われたー!」
そうだそうだ、と他の子達も後に続く。
危ない、と言うのも今村雨や子供達のいる街外れの教会で全身の血を抜かれ干からびた女性の遺体が発見された為だ。
身に着けていた着衣などからその教会のシスターであろう、と推測された。
吸血鬼を模した異常者の犯行か、或いは本物の吸血鬼か、全くゾッとしない話である。
そんな事を考えていたが子供達の声で現実に引き戻される。
「良いじゃない、どーせ村雨さん暇でしょ?」
と女の子。
「いやいや、お「そーそー!暇潰しにつかってやるから感謝しろよなー!」
村雨の言葉を男の子が遮る。
もう何を言っても無駄なようだ、と昼寝のためにわざわざベランダに出した椅子を悲しげに一瞥し、溜め息を吐きながら生意気な男のお子様の頭に鉄槌を下した。
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